2016年御翼9月号その1(2)

                                         

ショーの最中に、ゴスペルにじっと聞き入るエルヴィス

 エルヴィスはたびたび、ショーの後にもたれるスイートルームでの集まりで、ゴスペル・グループがアカペラで「スウィート・スウィート・スピリット」を歌うのを耳を澄ませて聴くよう、一同を促した。時々彼は、皆が歌詞の意味を味わえるように、ピアノの椅子の上に立ち、両腕を振って人々を静かにさせた。クリスチャンではなく、ゴスペルにあまりなじみのない招待客に対してさえも、頭を垂れて聞くよう指示し、曲に対して敬意を払い、礼節を守ることを要求したのだ。
 「ここには愛すべき聖霊がいらっしゃる……」、そんな出だしで歌い始めるとき、この瞬間、部屋にいるすべての人が皆同じであるという強い思いにとらえられた。この歌が終わると、皆、こんな曲は今までに聴いたことがないと口々に言うのだった。エルヴィスは、時々ショーなどでもこの歌をゴスペル・グループに歌わせた。そして彼は、観客に背を向け、歌に聴き入るのだった。
 そのことを、『エルヴィスの真実』には以下のように記されている。
 振り返って考えると、エルヴィスは、このようなちょっとしたふるまいを通して、ラスベガスをはじめあらゆる場所で行われたショーの何千人もの観客やファンに対し、はっきりとした信仰的メッセージを伝えていたのだという印象を受けるのです。きっとエルヴィスのファンやショーの観客たちは、「キング・オブ・ロックンロール」と呼ばれたエルヴィスの演奏の最中に、このようなことが起こるなど、想像もしなかったのではないでしょうか。…エルヴィスは、私たちがこの歌を歌うとき、いつも聖霊によってたましいを新しくされ、力づけられてきたのだと思います。そしてきっと他の人にも、同じ経験をしてほしいと願ったに違いありません。
 神を礼拝する者、賛美し、神にご栄光を帰する者は祝され、その働きは永続する。信仰を人生の土台とするからである。マタイ3章16節「イエスは洗礼を受けると、すぐ水の中から上がられた。そのとき、天がイエスに向かって開いた。イエスは、神の霊が鳩のように御自分の上に降(くだ)って来るのを御覧になった。」
Sweet, Sweet Spirit   Doris Mae Akers    甘く、優しい霊     ドリス・エイカーズ
             訳:佐藤 順
There's a sweet sweet spirit in this place    ここには、甘く、優しい霊が宿っている
And I know that it's the spirit of the Lord    それは、間違いなく主の霊
There are sweet expressions on each face 一人ひとりに優しい表情がある
And I know that it's the presence of the Lord  それは、間違いなく主のご臨在
Sweet Holy Spirit               心地良い聖霊
Sweet heavenly dove              美しい天の鳩
Stay right here with us             今ここに、留まり、 我らを
Filling us with your love            あなたの愛で満たし給え
And for these blessings             その祝福ゆえに
We lift our hearts in praise            我らは誠をもって賛美する
Without a doubt we'll know that we have been revived ここを去る時、我らは悟る
When we shall leave this place      聖霊によって魂が新しくされ、力づけられてきたことを

 

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